脳ドック
これまで脳の病気に罹ったことがないという方を主な対象とした検査で、費用は原則自己負担となります。脳ドックは、ご家族の方に脳血管障害を発症した方がいる、糖尿病・高血圧・脂質異常症を発症している、またはその予備群である、さらに肥満、喫煙などの習慣がある方に勧められます。その目的は脳血管障害や認知症の予防に役立てるものです。脳ドックでは、主に以下の検査が行われます。
脳ドックで行う主な検査
MRI検査
脳の断層撮影を行うのがMRI ※1で、同検査で脳実質の状態を調べます。脳腫瘍、脳梗塞、脳出血の有無などが描出できます。また、脳萎縮がないか、萎縮の程度はどうかを判断します。MRAは、脳動脈瘤や脳動脈狭窄などの有無が判定できます。
CT検査
CT検査も断層撮影ですが、頭蓋内出血や頭蓋骨骨折など骨の情報を得やすいため、頭部外傷による頭蓋内出血を描出しやすく、高齢者に生じやすい慢性硬膜下血腫などの診断に有効です。また、MRIに比べ短時間で撮像できるので、閉所恐怖症の方などでMRIに入るのが困難な方でも検査可能です。
血液検査
脳卒中の危険因子でもある糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病の有無を調べるために行います。
心電図検査
脳梗塞の原因でもある心房細動などの不整脈を発見するために行うものです。
胸部レントゲン
脳梗塞の原因でもある不整脈の他、心不全、心肥大等の有無の確認をします。
※1
MRIとは、強力な磁場を利用し体の内部(臓器や血管)を撮像する検査機器のことです。脳神経外科の場合、主に脳や脊髄などに生じた病変の診断を行っていきます。同検査によって、脳疾患(脳梗塞、脳出血、脳血管病変、脳変性疾患、脳腫瘍など)の早期発見・予防に役立てることができます。
※2
CTはX線を用いて断層画像化する検査です。頭部外傷による頭蓋内出血や脳出血、脳腫瘍などを判断する際によく使用されます。造影剤を使用すれば脳血管を描出することも可能で、脳動脈瘤、脳血管奇形、脳動脈狭窄、脳腫瘍などの診断もできるようになります。